舞踏会 (下)
芥川龍之介
勿論この露台の上からも、絶えず賑な話し声や笑ひ声が夜気を揺ゆすつてゐた。まして暗い針葉樹の空に美しい花火が揚る時には、殆ほとんど人どよめきにも近い音が、一同の口から洩れた事もあつた。その中に交つて立つてゐた明子も、其処にゐた懇意の令嬢たちとは、さつきから気軽な雑談を交換してゐた。が、やがて気がついて見ると、あの仏蘭西の海軍将校は、明子に腕を借した儘、庭園の上の星月夜へ黙然もくねんと眼を注いでゐた。彼女にはそれが何となく、郷愁でも感じてゐるやうに見えた。そこで明子は彼の顔をそつと下から覗きこんで、
「御国の事を思つていらつしやるのでせう。」と半ば甘えるやうに尋ねて見た。
すると海軍将校は相不変微笑を含んだ眼で、静かに明子の方へ振り返つた。さうして「ノン」と答へる代りに、子供のやうに首を振つて見せた。
「でも何か考へていらつしやるやうでございますわ。」
「何だか当てて御覧なさい。」
その時露台に集つてゐた人々の間には、又一しきり風のやうなざわめく音が起り出した。明子と海軍将校とは云ひ合せたやうに話をやめて、庭園の針葉樹を圧してゐる夜空の方へ眼をやつた。其処には丁度赤と青との花火が、蜘蛛手くもでに闇を弾はじきながら、将まさに消えようとする所であつた。明子には何故かその花火が、殆悲しい気を起させる程それ程美しく思はれた。
「私は花火の事を考へてゐたのです。我々の生ヴイのやうな花火の事を。」
暫くして仏蘭西の海軍将校は、優しく明子の顔を見下しながら、教へるやうな調子でかう云つた。
二
大正七年の秋であつた。当年の明子は鎌倉の別荘へ赴おもむく途中、一面識のある青年の小説家と、偶然汽車の中で一しよになつた。青年はその時編棚の上に、鎌倉の知人へ贈るべき菊の花束を載せて置いた。すると当年の明子――今のH老夫人は、菊の花を見る度に思ひ出す話があると云つて、詳しく彼に鹿鳴館の舞踏会の思ひ出を話して聞かせた。青年はこの人自身の口からかう云ふ思出を聞く事に、多大の興味を感ぜずにはゐられなかつた。
その話が終つた時、青年はH老夫人に何気なくかう云ふ質問をした。
「奥様はその仏蘭西の海軍将校の名を御存知ではございませんか。」
するとH老夫人は思ひがけない返事をした。
「存じて居りますとも。Julien Viaud と仰有おつしやる方でございました。」
「では Loti だつたのでございますね。あの『お菊夫人』を書いたピエル・ロテイだつたのでございますね。」
青年は愉快な興奮を感じた。が、H老夫人は不思議さうに青年の顔を見ながら何度もかう呟つぶやくばかりであつた。
「いえ、ロテイと仰有る方ではございませんよ。ジュリアン・ヴイオと仰有る方でございますよ。」
芥川龍之介
勿論この露台の上からも、絶えず賑な話し声や笑ひ声が夜気を揺ゆすつてゐた。まして暗い針葉樹の空に美しい花火が揚る時には、殆ほとんど人どよめきにも近い音が、一同の口から洩れた事もあつた。その中に交つて立つてゐた明子も、其処にゐた懇意の令嬢たちとは、さつきから気軽な雑談を交換してゐた。が、やがて気がついて見ると、あの仏蘭西の海軍将校は、明子に腕を借した儘、庭園の上の星月夜へ黙然もくねんと眼を注いでゐた。彼女にはそれが何となく、郷愁でも感じてゐるやうに見えた。そこで明子は彼の顔をそつと下から覗きこんで、
「御国の事を思つていらつしやるのでせう。」と半ば甘えるやうに尋ねて見た。
すると海軍将校は相不変微笑を含んだ眼で、静かに明子の方へ振り返つた。さうして「ノン」と答へる代りに、子供のやうに首を振つて見せた。
「でも何か考へていらつしやるやうでございますわ。」
「何だか当てて御覧なさい。」
その時露台に集つてゐた人々の間には、又一しきり風のやうなざわめく音が起り出した。明子と海軍将校とは云ひ合せたやうに話をやめて、庭園の針葉樹を圧してゐる夜空の方へ眼をやつた。其処には丁度赤と青との花火が、蜘蛛手くもでに闇を弾はじきながら、将まさに消えようとする所であつた。明子には何故かその花火が、殆悲しい気を起させる程それ程美しく思はれた。
「私は花火の事を考へてゐたのです。我々の生ヴイのやうな花火の事を。」
暫くして仏蘭西の海軍将校は、優しく明子の顔を見下しながら、教へるやうな調子でかう云つた。
二
大正七年の秋であつた。当年の明子は鎌倉の別荘へ赴おもむく途中、一面識のある青年の小説家と、偶然汽車の中で一しよになつた。青年はその時編棚の上に、鎌倉の知人へ贈るべき菊の花束を載せて置いた。すると当年の明子――今のH老夫人は、菊の花を見る度に思ひ出す話があると云つて、詳しく彼に鹿鳴館の舞踏会の思ひ出を話して聞かせた。青年はこの人自身の口からかう云ふ思出を聞く事に、多大の興味を感ぜずにはゐられなかつた。
その話が終つた時、青年はH老夫人に何気なくかう云ふ質問をした。
「奥様はその仏蘭西の海軍将校の名を御存知ではございませんか。」
するとH老夫人は思ひがけない返事をした。
「存じて居りますとも。Julien Viaud と仰有おつしやる方でございました。」
「では Loti だつたのでございますね。あの『お菊夫人』を書いたピエル・ロテイだつたのでございますね。」
青年は愉快な興奮を感じた。が、H老夫人は不思議さうに青年の顔を見ながら何度もかう呟つぶやくばかりであつた。
「いえ、ロテイと仰有る方ではございませんよ。ジュリアン・ヴイオと仰有る方でございますよ。」
#FANTASTICS[超话]#
作詞家・小竹正人の自宅を襲った「FANTASTICS怪盗団」とは?
https://t.cn/A6j6DbfD
さまざまな経験、体験をしてきた作詞家の小竹正人さんの連載がGINGER WEBでスタート。豊富なキャリアを通して、今だからわかったこと、気付いたこと、そして身の回りに起きた出来事をGINGER WEBだけに綴っていきます。【連載/小竹正人の『泥の舟を漕いできました』】
「FANTASTICS怪盗団」
なんか嫌な予感はしていたのである。
ある夜。EXILE HIRO氏とFANTASTICS from EXILE TRIBEのメンバーが食事会をしていた。私も誘ってもらったのだが、他に用事があり、その場に一瞬(10分ほど)だけ顔を出し、その一瞬で面白おかしい毒を吐きまくって(私はかなりの毒舌です)笑いを誘い、「それではみなさん、ごきげんよう」と、風のように去った。
それから私用を済ませ、帰宅して部屋着(とても人前には出られない毛玉だらけのスエットパンツにヨレヨレのパーカー)に着替えて人間スイッチOFF。
さて『脱出おひとり島』(韓国の恋愛バラエティー番組)の最終エピソードを観ようと、テレビの前に座った瞬間、ピンポ~ンと我が家のインターフォンが鳴った。夜の10時近くである。
ここ数年、私は早寝早起きで、こんな時間に誰かがいきなり自宅に来訪するなんてこと皆無。不審に思いながらもドアののぞき穴から外の様子をうかがうと、ニコニコ笑う佐藤大樹の顔が。そして、私がドアを少しだけ開けた瞬間、ものすごい力でドアを大きく開かれた。そこには大樹だけではなく、世界、澤本夏輝、堀夏喜、木村慧人までいるではないか。
「HIROさんが、『おだちゃんがきっとさみしがってるよ』って言ってたから来ました!」と、全く悪びれることなくとんちんかんなことを言う面々。
声を大にして言いたいが、私はどんな時間よりひとり時間が好きだ。さみしいとか人恋しいとか、そんな感情は遠い昔に葬った。しかも、こいつらは会食終わりで全員ほろ酔い、いたずらっ子のような顔をして笑っている。
私が「帰ってよ!」と、いきなり部屋に来た未練がましい元カレを追い払う女みたいな大げさな口ぶりで言ったのに、やつらは「ちょっとだけ~、ちょっとだけ~」と合唱しながら入ってきやがった。渾身の力で全員をドアの外に押し出そうとするが、なんせ1対5(しかもそのうち3名は私より高身長)、あれよあれよ、全員が我が家の玄関にすし詰め状態。ああっ。
しかし、根がスーパー優しい私。我が家に入ったことを明らかに喜んでいる5人の顔を見たら、なんだかこのまま追い払うのがかわいそうになった。
「あっ、なっちゃん(堀夏喜)、このスニーカー欲しいって言ってたよね」と、以前、私が履いていたスニーカーを彼が欲しがっていたことを思い出したので、シューズインクローゼットのドアを開けた。そして、そのスニーカーをなっちゃんにあげた。
そこからがカオスであった。ひょこ、ひょこ、ひょこ、ひょこ、ひょこ、っと、シューズインクローゼット中を覗き込む5人のひょっこりはん。口々に「うわあ、すごい靴の数!」と言っている。
昔から靴が大好きな私は、好みのスニーカーやサンダルを見つけると履きもしないのにそれを買ってしまう悪癖がある。よって、いつの間にか私のシューズインクローゼットは箱に入ったままのスニーカーやサンダルでテトリスがごとく埋め尽くされていて、見るたびに「どうしよう」と思っていた。
奇しくも、「2024年は何もかも断捨離!」と心に誓ったばかりだったので、ここぞとばかりに靴箱を次々に玄関に出し、スニーカーやサンダル(ほとんどが新品、計20足くらい)をみんなにあげた。大体全員の好みを把握しているので、それぞれが好きそうなものを。ついでに着ていない(絶対に私には似合わない)新しい服なんかもあげ、5人全員が大荷物を持って私の家から出て行ってくれた。
ようやくひとりになって、ずいぶんとすっきりとしたシューズインクローゼット(最後に大樹がちゃんと片付けていってくれた)を見て、ふと思った。心に誓うだけで、全然やろうともしなかった断捨離を、思いがけず有言実行できて、結果よかったな・・・と。
これが、「2024年FANTASTICS怪盗事件」の全貌である。
その後、5人全員が「いきなり行ってすみませんでした。思いがけない大きなお年玉をありがとうございます」的なメッセージを送ってきて、次の日に早い時間から仕事があって怪盗団に参加できなかった八木勇征は「僕も行きたかったあ」と悔しがっていて、「ああ、やっぱりFANTASTICSが大好きだなあ」と思った私って・・・・・・本当に世界一のお人好しじゃないですか?
What I saw~今月のオフショット
八木勇征と中島颯太。今回のFANTASTICS怪盗団には加わらなかった2人ですが、次回お待ちしております。是非とも押しかけ断捨離(第2弾)にいらっしゃいませ。
作詞家・小竹正人の自宅を襲った「FANTASTICS怪盗団」とは?
https://t.cn/A6j6DbfD
さまざまな経験、体験をしてきた作詞家の小竹正人さんの連載がGINGER WEBでスタート。豊富なキャリアを通して、今だからわかったこと、気付いたこと、そして身の回りに起きた出来事をGINGER WEBだけに綴っていきます。【連載/小竹正人の『泥の舟を漕いできました』】
「FANTASTICS怪盗団」
なんか嫌な予感はしていたのである。
ある夜。EXILE HIRO氏とFANTASTICS from EXILE TRIBEのメンバーが食事会をしていた。私も誘ってもらったのだが、他に用事があり、その場に一瞬(10分ほど)だけ顔を出し、その一瞬で面白おかしい毒を吐きまくって(私はかなりの毒舌です)笑いを誘い、「それではみなさん、ごきげんよう」と、風のように去った。
それから私用を済ませ、帰宅して部屋着(とても人前には出られない毛玉だらけのスエットパンツにヨレヨレのパーカー)に着替えて人間スイッチOFF。
さて『脱出おひとり島』(韓国の恋愛バラエティー番組)の最終エピソードを観ようと、テレビの前に座った瞬間、ピンポ~ンと我が家のインターフォンが鳴った。夜の10時近くである。
ここ数年、私は早寝早起きで、こんな時間に誰かがいきなり自宅に来訪するなんてこと皆無。不審に思いながらもドアののぞき穴から外の様子をうかがうと、ニコニコ笑う佐藤大樹の顔が。そして、私がドアを少しだけ開けた瞬間、ものすごい力でドアを大きく開かれた。そこには大樹だけではなく、世界、澤本夏輝、堀夏喜、木村慧人までいるではないか。
「HIROさんが、『おだちゃんがきっとさみしがってるよ』って言ってたから来ました!」と、全く悪びれることなくとんちんかんなことを言う面々。
声を大にして言いたいが、私はどんな時間よりひとり時間が好きだ。さみしいとか人恋しいとか、そんな感情は遠い昔に葬った。しかも、こいつらは会食終わりで全員ほろ酔い、いたずらっ子のような顔をして笑っている。
私が「帰ってよ!」と、いきなり部屋に来た未練がましい元カレを追い払う女みたいな大げさな口ぶりで言ったのに、やつらは「ちょっとだけ~、ちょっとだけ~」と合唱しながら入ってきやがった。渾身の力で全員をドアの外に押し出そうとするが、なんせ1対5(しかもそのうち3名は私より高身長)、あれよあれよ、全員が我が家の玄関にすし詰め状態。ああっ。
しかし、根がスーパー優しい私。我が家に入ったことを明らかに喜んでいる5人の顔を見たら、なんだかこのまま追い払うのがかわいそうになった。
「あっ、なっちゃん(堀夏喜)、このスニーカー欲しいって言ってたよね」と、以前、私が履いていたスニーカーを彼が欲しがっていたことを思い出したので、シューズインクローゼットのドアを開けた。そして、そのスニーカーをなっちゃんにあげた。
そこからがカオスであった。ひょこ、ひょこ、ひょこ、ひょこ、ひょこ、っと、シューズインクローゼット中を覗き込む5人のひょっこりはん。口々に「うわあ、すごい靴の数!」と言っている。
昔から靴が大好きな私は、好みのスニーカーやサンダルを見つけると履きもしないのにそれを買ってしまう悪癖がある。よって、いつの間にか私のシューズインクローゼットは箱に入ったままのスニーカーやサンダルでテトリスがごとく埋め尽くされていて、見るたびに「どうしよう」と思っていた。
奇しくも、「2024年は何もかも断捨離!」と心に誓ったばかりだったので、ここぞとばかりに靴箱を次々に玄関に出し、スニーカーやサンダル(ほとんどが新品、計20足くらい)をみんなにあげた。大体全員の好みを把握しているので、それぞれが好きそうなものを。ついでに着ていない(絶対に私には似合わない)新しい服なんかもあげ、5人全員が大荷物を持って私の家から出て行ってくれた。
ようやくひとりになって、ずいぶんとすっきりとしたシューズインクローゼット(最後に大樹がちゃんと片付けていってくれた)を見て、ふと思った。心に誓うだけで、全然やろうともしなかった断捨離を、思いがけず有言実行できて、結果よかったな・・・と。
これが、「2024年FANTASTICS怪盗事件」の全貌である。
その後、5人全員が「いきなり行ってすみませんでした。思いがけない大きなお年玉をありがとうございます」的なメッセージを送ってきて、次の日に早い時間から仕事があって怪盗団に参加できなかった八木勇征は「僕も行きたかったあ」と悔しがっていて、「ああ、やっぱりFANTASTICSが大好きだなあ」と思った私って・・・・・・本当に世界一のお人好しじゃないですか?
What I saw~今月のオフショット
八木勇征と中島颯太。今回のFANTASTICS怪盗団には加わらなかった2人ですが、次回お待ちしております。是非とも押しかけ断捨離(第2弾)にいらっしゃいませ。
山田孝之、竹野内丰和石桥义正导演等人去年10月28日出席了在东京举行的电影《唱歌的六个女人》见面会。
公開中の映画『唄う六人の女』の公開記念舞台挨拶が、10月28日(土)に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催され、W主演の竹野内豊と山田孝之をはじめ、共演のアオイヤマダ、萩原みのり、桃果、武田玲奈、そして石橋義正監督が登壇しました。
石橋監督は、冒頭で「この脚本を書き始めてから約5年が経ちますが、こうしてたくさんの方に観ていただけることを本当に嬉しく思っています。この5年間色々ありましたが、多くのスタッフに支えられて、何とか奇跡的に完成した映画です。キャストの皆さんが愛情を持ってこの作品に向き合ってくださいました」と感謝の気持ちを表し、「この映画を観るというより体感するような感覚で楽しんでいただければ」とアピール。
約10年ぶりの共演となった竹野内と山田だが、お互いの印象について竹野内が「以前は戦争映画(『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』(2011年公開))でご一緒したのですが、その当時から同じ世代の役者さんとは空気感が全然違っていて、今回さらに研ぎ澄まされていて、いい意味で動物的な感覚を持っている感じでした。見ていて非常に面白かったですね」と明かす。
山田も「前回は兵隊の役だったので、ざっくばらんに話をする雰囲気ではなかったのですが、今回もバチバチの関係性なので、何か話すというよりも僕は森の中で動植物を愛でる竹野内さんを見て癒されていました(笑)」と笑顔で語る。「ちょっと記憶がないんだけど・・・」という竹野内だったが、山田に「写真を撮られていましたよね。苔とか愛おしそうに見ている竹野内さんを僕は水川あさみさんと一緒に後ろから愛おしそうに見ていたんですよ。蛇とかトカゲとか捕まえていましたね」とバラされ、「ああ、そうだったね」と照れ笑いする竹野内。会場は和やかな空気に包まれました。
2人のキャスティングを、監督は「今回(2人は)対照的な役ですが、どちらも人間が持っている二つの面だと思っていて。明らかにその違いを伝えるには、竹野内さんと山田さんがバッチリだろうと。実際に撮影現場でも、出来上がったものを観ても本当に頼んでよかったと思うし、この2人しか考えられないと思っております」と絶賛し、竹野内と山田に絶対的な信頼を寄せていました。
非常に暴力的な役どころを演じた山田だが、「私はどうしても真面目な部分が出てしまうんです。普通は泊まり込みで撮影し、そこに体が馴染むようにずっとい居続けたりするんですけども、今回の役は欲望むき出しな人間なので、あえて、撮影がないときは街に出て、人と会い、酒を飲み、ここが俺の帰る場所なんだと言い聞かせて、演技中は“こんなくそみたいなところ早く出ていくんだ”と思い演技してましたね」と役と向き合っていた様子。
MCから「枕を持っていかれたそうですね?」と聞かれると、「そうなんです。あまり頑丈なほうじゃないので、そうやって精神的に追い込んでいくと、疲弊してくるんです。なので、宿に戻ったときぐらいは癒したいから、家からパジャマと枕を持ってきて、少しでも家と同じ環境にしてアロマを焚いてリラックスして、また現場に行って切り替えるということをしていました。根が真面目なのが出ちゃうんですよね(笑)」と恥ずかしそうに告白していました。
そんな山田を竹野内は「現場で見ていると役に対する入り込み方とか、小手先でやっていない。山田くんの場合は、別の視点から役に対してアプローチしてるような印象がありますね」と分析し、「すっごく真面目だと思います(笑)」と山田の言葉にのっかり、会場を沸かせていました。
山田と対峙した桃果は「とにかく宇和島が悪い人間なんです」と前置きをし、「役として人間らしい感情を排除しなければいけなかったんですが、山田さんの迫力あるお芝居に吞み込まれそうになって怖かった。宇和島ほど悪い人には会ったことはないです!」と力を込めると、慌てて山田が「僕じゃなくて、悪いのは宇和島ですからね(笑)」と念を押す場面も。
最後に、竹野内は「この作品は、人間社会だけではなく、生命そのものに目を向けようとしている映画です。人間を生き物として、様々な視点で監督が映し出してくださっていますので、感じ方は人さまざまだと思いますが、議論することに大きな意味があると思います」。山田は「怖いとか動物的とか、目が強いや優しいとも言われたり、いろいろ褒めの言葉もいただきながらプラマイゼロかなと思うんですけども(笑)。人間社会の中で人が評価するかということを私は全く気にしていません。この映画はそういうことではなく、もう少し視野を広げて、人は自然や動植物と同じように生きてるんだというようなことを伝えていると思います」と声をかける。
#山田孝之##山田孝之[超话]#
公開中の映画『唄う六人の女』の公開記念舞台挨拶が、10月28日(土)に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催され、W主演の竹野内豊と山田孝之をはじめ、共演のアオイヤマダ、萩原みのり、桃果、武田玲奈、そして石橋義正監督が登壇しました。
石橋監督は、冒頭で「この脚本を書き始めてから約5年が経ちますが、こうしてたくさんの方に観ていただけることを本当に嬉しく思っています。この5年間色々ありましたが、多くのスタッフに支えられて、何とか奇跡的に完成した映画です。キャストの皆さんが愛情を持ってこの作品に向き合ってくださいました」と感謝の気持ちを表し、「この映画を観るというより体感するような感覚で楽しんでいただければ」とアピール。
約10年ぶりの共演となった竹野内と山田だが、お互いの印象について竹野内が「以前は戦争映画(『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』(2011年公開))でご一緒したのですが、その当時から同じ世代の役者さんとは空気感が全然違っていて、今回さらに研ぎ澄まされていて、いい意味で動物的な感覚を持っている感じでした。見ていて非常に面白かったですね」と明かす。
山田も「前回は兵隊の役だったので、ざっくばらんに話をする雰囲気ではなかったのですが、今回もバチバチの関係性なので、何か話すというよりも僕は森の中で動植物を愛でる竹野内さんを見て癒されていました(笑)」と笑顔で語る。「ちょっと記憶がないんだけど・・・」という竹野内だったが、山田に「写真を撮られていましたよね。苔とか愛おしそうに見ている竹野内さんを僕は水川あさみさんと一緒に後ろから愛おしそうに見ていたんですよ。蛇とかトカゲとか捕まえていましたね」とバラされ、「ああ、そうだったね」と照れ笑いする竹野内。会場は和やかな空気に包まれました。
2人のキャスティングを、監督は「今回(2人は)対照的な役ですが、どちらも人間が持っている二つの面だと思っていて。明らかにその違いを伝えるには、竹野内さんと山田さんがバッチリだろうと。実際に撮影現場でも、出来上がったものを観ても本当に頼んでよかったと思うし、この2人しか考えられないと思っております」と絶賛し、竹野内と山田に絶対的な信頼を寄せていました。
非常に暴力的な役どころを演じた山田だが、「私はどうしても真面目な部分が出てしまうんです。普通は泊まり込みで撮影し、そこに体が馴染むようにずっとい居続けたりするんですけども、今回の役は欲望むき出しな人間なので、あえて、撮影がないときは街に出て、人と会い、酒を飲み、ここが俺の帰る場所なんだと言い聞かせて、演技中は“こんなくそみたいなところ早く出ていくんだ”と思い演技してましたね」と役と向き合っていた様子。
MCから「枕を持っていかれたそうですね?」と聞かれると、「そうなんです。あまり頑丈なほうじゃないので、そうやって精神的に追い込んでいくと、疲弊してくるんです。なので、宿に戻ったときぐらいは癒したいから、家からパジャマと枕を持ってきて、少しでも家と同じ環境にしてアロマを焚いてリラックスして、また現場に行って切り替えるということをしていました。根が真面目なのが出ちゃうんですよね(笑)」と恥ずかしそうに告白していました。
そんな山田を竹野内は「現場で見ていると役に対する入り込み方とか、小手先でやっていない。山田くんの場合は、別の視点から役に対してアプローチしてるような印象がありますね」と分析し、「すっごく真面目だと思います(笑)」と山田の言葉にのっかり、会場を沸かせていました。
山田と対峙した桃果は「とにかく宇和島が悪い人間なんです」と前置きをし、「役として人間らしい感情を排除しなければいけなかったんですが、山田さんの迫力あるお芝居に吞み込まれそうになって怖かった。宇和島ほど悪い人には会ったことはないです!」と力を込めると、慌てて山田が「僕じゃなくて、悪いのは宇和島ですからね(笑)」と念を押す場面も。
最後に、竹野内は「この作品は、人間社会だけではなく、生命そのものに目を向けようとしている映画です。人間を生き物として、様々な視点で監督が映し出してくださっていますので、感じ方は人さまざまだと思いますが、議論することに大きな意味があると思います」。山田は「怖いとか動物的とか、目が強いや優しいとも言われたり、いろいろ褒めの言葉もいただきながらプラマイゼロかなと思うんですけども(笑)。人間社会の中で人が評価するかということを私は全く気にしていません。この映画はそういうことではなく、もう少し視野を広げて、人は自然や動植物と同じように生きてるんだというようなことを伝えていると思います」と声をかける。
#山田孝之##山田孝之[超话]#
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